-Truss Reinforced Dana30 Axle-

#1

 

本国アメリカにてトラス補強されたデフホーシング画像

 
Jeepの本国アメリカでは、アクスルをトラス補強して使用している車輌が多く存在するようです。検索エンジンで検索すると、かなりの数がヒットしますし、画像も多く見つけることができます。
上の4枚は、参考のために何十枚も集めたトラス補強アクスルの画像の一部です。
 
TJやXJの前輪に標準装備されているDana30(TJ RubiconはDana44)からDana44やDana60、Ford9などへ換装し、アップグレードする手法がよく用いられているのはご存じの人も多いと思います。
最近では日本国内でもアクスルのアップグレードをする車輌も多いようで、身近にも数台存在しますし、雑誌でも時々見かけます。お金はそれなりに(かなり?)かかるものの、それが一番単純で確実な方法なのは間違い有りません。
 
でも、強化アクスルへの換装まで本格的でなくても、こういうトラス補強という方法も無いこともないようです。
本国では、Dana30用と44用がキットとして販売されていることからも、効果はありそうです。
それに、何よりも強化アクスルの換装と比べると、格段にお金がかかりません!(笑)
 
このトラス補強の狙いは・・・
標準装備のアクスルに大径タイヤを履き・デフロックしてオフロードを走ると、デフハウジングの強度不足からデフハウジングが歪み、リングギヤやピニオンギヤを破損したり、強い衝撃を受けた際にアクスルチューブが歪んでしまうのを防ぐためです。
他にも、デフハウジングが小さめなので地上クリアランスが広めだという利点もありますし、軽量という特徴もあります。
更にリング・ピニオンギヤがリバースカットのハイピニオンであれば、プロペラシャフトの地上高も10cmくらいは余計に稼げますし、同じDana30でもローピニオンよりはハイピニオンのほうがやや強いのだそうです。
本国のJeepのフォーラムを覗いてみると、オフロードを楽しむ人たち(オフロード競技ではなく)にDana30のハイピニオンは結構な人気でした。
 
ただ、幾らアクスルを補強してもアクスルシャフトが細いままではそこへストレスが集中し、破断してしまう可能性が高いので、Dana30にデフロックを装備する場合は、スプライン数が3山多く、シャフトも太いSuper30(27が30スプラインとなり、その分シャフトが太くなります)は欲しいところです。
それとデフカバー。メーカーは問いませんが、強い材質で作られたデフカバーはデフハウジングの歪みを多少なりとも抑えてくれると思われます(Poison Spyder社製のデフカバーには、トラス補強部と連結してデフハウジングの強度を上げようとするタイプのものも存在します)。
 
これらを満たしても、35インチクラスのタイヤを履き、ローギヤード化した上にデフロックを使えば、何処かが壊れるかも知れませんが、33インチクラスのタイヤでそこそこ遊ぶ分には「使えそうだ」ということで製作に踏み切りました。
*本国で販売されているキットを購入しなかったのは、キットの価格は安めでしたがそれよりも板厚を上げたかったことと、日本へ販売してくれるか分からなかったし、販売してくれても重い物なので送料が高くつきそうだったからです*

前置きが長くなってしまいましたが・・・
まず用意したのが、XJチェロキーのリバースカット・ハイピニオンのDana30アクスルです。鉄の価格が高騰する前だったからか、1万円でした。ピニオンヨークの位置がTJのDana30よりも高いのが分かると思います。
 
トラス補強の他に計画している今回の仕様は・・・
 
1) ロアアームブラケットの補強とスキッド性向上
2) トラックバーの取り付け位置を変更とそれに伴うトラックバーの加工
3) 30スプラインのARB+強化シャフトへの換装
4) 3.73から4.1へファイナルダウン
5) ARB製のデフカバー
6) アッパーアームの製作
7) アクスルチューブ下側のスキッドガード *この項目以外は必須とした仕様です。

 

ホームセンターで買ってきた木材で作ったスタンドに載せました

 
トラス補強をする材料は、いつもの?製罐業者から仕入れ?ました。
まずは型紙を作って、その型に合わせてジグソーと切断砥石をセットしたディスクグラインダーで6mm厚の鉄板を切り抜きました(かなり大変でした!もうしません・・・)。
 

ごちゃごちゃしていますが、まずは前面。 2007.10.17

スタンドの下にはデフハウジング部を切り抜く前の板と、このトラス補強の上蓋?も板に重なっているのが分かります。

 

次に背面部の板を切り抜き(これはプラズマで大まかに切ってもらった後に整形しました)上部と合わせます。2007.10.21

まだ本溶接ではなく、仮付けの状態です。

 

これが裏側。前面とは切り抜きの形状が違います。

 

そして上部。トラス補強の厚みは、Dana30アクスルチューブの外径がトラス部の内寸としました。

 
この際・・・一番上の本国の画像を見て貰うと分かるのですが、アッパーアームのブラケットの移設が必須となりますので、助手席側は切り落としました。運転席側はまだ残っていますが、助手席側へ新設するブラケットと同じ高さに揃えるためにカットし、移設します(仕方なくの移設ですが、アッパーアームが地面と水平に近くなるという利点もあります)。
 

助手席側の新しいアッパーアームブラケット。

 
アッパーアームブラケットは、リヤと同形状のアームだとスペアの用意がし易いし、ブッシュなどの交換も容易だと考え、純正とは違う形状にしました(アームの両端をピロ化するのも容易です)。
角度や高さなどは純正を採寸して角度は何度で高さは+何mm等を全て計算で算出し、設定しいています(画像は未溶接です)。
 

 

 #2へつづく・・・