-Over The Knuckle-

#1

 

一見、特に変わっていない純正っぽいステアリングリンケージですが・・・

 

トップページにもあるこの画像と比較してみると・・・違いが分かりますでしょうか?

タイロッドとドラッグリンクの高さがまるで違います。

 
TJのタイロッドは、下回りの最前列というとても打ち付け易い位置にあります。岩に当てたり、切り株に当てたり・・・?
 
これ、何とか出来ないのかなー?と以前から思うたびに考えていました。
単純に、何故かナックルの下側に取り付けられているタイロッドやドラッグリンクを、上側に取り付けられれば簡単な話なのですが、全てのロッドエンドのスタッドはテーパーに加工されていて簡単にひっくり返すことは出来ません。

それに、このテーパーの角度は採寸と計算でだいたいの角度は分かっているものの、このテーパー角に加工するリーマの入手が難しい、もしくは無理、と思っていました。

 
問題は他にもあります。仮にリーマを入手出来たとしても、テーパーに加工されたナックルに、反対側からテーパー加工してもロッドエンドはきっちりと固定出来ないでしょうし・・・。
ところが見つけたんです!アメリカの色んなサイトを彷徨っていたら偶然にも見つけました。値段は約$60。
そして、フッと思いつきました。 そうか!スリーブを入れたら良いんだ!
一気に思想が進み、ナックルを採寸してドラフターに向かい図面を描いて検討していきます。

携帯で撮った画像なので繊細さに欠けますが・・・

 
ドラッグリンクはどうしよう・・・?と思っていたら、本国仕様のドラッグリンクをそのままひっくり返したら使えるんじゃないか?と気付き、幾らするのか検索していたら・・・・
 
またもや偶然にも見つけました。しかも図面を描いた当日の夜です。サイトオーナーはオーストラリア人。
そうです。日本と同じ右ハンドルなんです。車がTJではなくXJチェロキーでしたが、フロント周りが殆ど共通な2車なので、何の問題もありません。オマケにXJのフロントアクスルを移植して使ってるし・・・。
  

そこで見つけたのがこの画像です。

このページの一番上の画像と同じ様なOTK(Over The Knuckle)ですね。

 
この画像を見て確信しました。この計画はイケる! 間違いない。
それにしても、やっぱり同じことを考える人って居るんだなぁー。と感心するような、少しがっかりするような?感覚でページを見ていたら、ついさっき自宅のドラフターで描いた図面と殆ど同じものが売られているじゃないですか!
 

 
自分が考えたものと違うのは、ロッドエンドのスタッドを割りピンでなく、ロックナットで留める、という点でした。
というのも、この製品はスリーブのミミをナックルの上側に出し、ナックルへ溶接にて固定するのでミミの厚みの分、ナックルから出るスタッドが短くなるため割りピンが使えないというものでした。
自分が考えたのは、ナックルへ座ぐり加工しミミを沈め、ナックルの厚みは変更しないため純正のナットをそのまま使用して割りピンで緩み止め出来る構造だったんです。
 
どちらにしても考え方は同じ。違いはナックルへの加工とナットの緩み止めの方法だけです。
 

リーマを本国から個人輸入してスリーブを製作しても良かったのですが、数を作らないと割りに合わないと判断し、購入してみることにしました。 

購入すると決めても、日本へ送ってくれるかどうかは分かりません。自作する可能性を残しつつもメールで問い合わせてみると、快く良い返事をもらい購入に踏み切りました。
 
 
 

#2へつづく・・・