-SYE slip yoke eliminator-

 

Telaflex社製のExtream Shortshaft Kitを使用しました。

日本国内では割りと少数派なのかもしれませんが、テラフレックス社製のSYEにしました。
これの特徴は、とにかく短いことです。通常の・・・SYE標準モデル?のようなアドバンスアダプター社製よりも約3インチもUジョイント部までが短くなり、それはアトラストランスファーよりも短いのです。
その分、ドライブシャフトが長くなり、デフピニオンの角度を緩やかに設定することが出来るのが強みです。
弱点は、アドバンスアダプター社製のように純正のスピードメーターギヤを使用しないので、ファイナルやタイヤサイズによって減速比の誤差が生じている場合の補正ギヤが使用できず、電気的に補正しなくてはいけない点です。
一部ではこの成品は純粋な競技用?で、スピードメーターが動かない・・・といった噂もあるようですが、スピードメーターはちゃんと動きます。上の画像の、ヨークの右側にある円盤に3ケ所の突起があって、それをセンサーが拾うようになっています。
これまでは、純正のシャフトを切断してヨークを取り付ける「エコノミータイプ」と呼ばれているSYE+ダブルカルダンのドライブシャフトを付けていたのですが、リフトアップ量が増えるに従い角度もきつくなるし、ドライブシャフトの長さが元々きちんと合っていなかったというのもあり、本物の?SYEへと踏み切りました。
入手は、個人輸入で、と思っていましたが、ちょうど本国アメリカへ出張へ行く自動車メーカー従業員の知り合いが居たので、買ってきて貰って送料分を浮かすことが出来ました(ラッキー♪)。
このテラフレックス社製のSYEへ交換することで、ヨーク部が約10cm短くなるので、逆にドライブシャフト側は約10cm長くしなくてはいけません。最近ようやく、一部ではあるようですが国内ショップでもこのSYEにも長さが合うようなドライブシャフトが販売されるようになりましたが、販売されていると言うだけで、少ない小遣いで簡単に買えるような価格ではありません。
散々悩んだ結果、今まで使用していたドライブシャフトを切断して延長加工することにしました。
ドライブシャフトの6-7cmしかないパイプ部分を真ん中で切断して、そこへきっちりと合うスリーブを作りました。材料はSTKM13Aという継ぎ目無しの鋼管です(一般構造用の丸パイプは、鉄板を丸めて溶接しているので、内側に溶接痕があります 。どうせ機械加工で内径をペラの外径に合わせるのですが、様々な肉厚のものがあるのでSTKM13Aにしました)。
車輌にSYEを組み付け、リヤアクスルを馬で浮かせ、ハイリフトジャッキでボディが微動するのを規制してからスリーブで延長されたドライブシャフトを借り組みし、芯の振れをダイヤルゲージで測定しま した。
振れが一番少なくなったところで溶接にて仮付けし、芯の振れを再確認。
それから本溶接でしっかりと一体化させます。
仮付けである程度芯が出ていても、本溶接するとどうしても熱による歪みで芯の振れが仮付け時よりも大きくなるので(0.1以下に合わせていても0.3位まで大きくなりました)、熱を加えて歪みを逆に利用して修正しました。
この修正は、やっては仮装着をして測定、やっては仮装着をして測定です。そして個人レベルで何とか妥協できる振れまでに修正できたら塗装して出来上がりです。
目標値はたぶん0.05とかでしょうけど、自宅の庭先で大した工具も無くちょこちょことやっているような我が家でそう簡単にその数値以内になってくれるはずもなく、 まぐれ?と妥協が必要です(苦笑)
試乗した感じでは、振動を感じることもなくスムーズに動力はデフへ伝わっているようです。高速道路を走行しても同じく振動は感じませんでした。
この改造をやってこのページを書くまでに、本栖ハイランドでのオフ走行、トレーラ牽引など駆動系へ負荷のかかる乗りかたを含めて1000km以上は走っていますが、ノートラブルです。今のところは。

ちなみにこのドライブシャフト、友人から戴いたのですがXJチェロキーのフロント側のドライブシャフトです。Tom Wood'sなどのドライブシャフトと比較すると強度的には弱いでしょうが、今のところ使用し始めてから20000kmは走っていると思いますが、不具合は出ていません。

本当は、TJのフロント側のドライブシャフトの伸縮するスプライン部などが強そうで良いのですが、なかなか見つからないんですよね・・・たまに見つけても結構な値段だし。

SYEとCV部 (右側のドライブシャフトは延長加工したものです)

 

TJとしては、かなり長めのドライブシャフトになりました

 

 

 

仕様の変更があった場合には追加更新します